2019年2月
長町武家屋敷跡周辺
長町武家屋敷跡
加賀藩時代、上流・中流階級の藩士の武家屋敷が軒を連ねていたこのエリアには、美しい土塀と石畳の路地が残っており、江戸時代の情緒ある雰囲気を感じることができます。
武家屋敷のすぐ横を金沢最古の大野庄用水が流れています。
冬には雪から土塀を守るため、こも掛けがおこなわれます。
こも掛けの土塀に椿の花が添えられていました。なんとも風流です。
旧加賀藩士高田家
加賀藩に仕えた武士・高田家の武家屋敷跡です。
母屋はありませんが、長屋門と庭を見ることができます。
江戸当時のものを修復復元した長屋門は、金沢市の保存建造物にも指定されています。
加賀藩の平士階級武士の中クラス以上の屋敷には、このように門に長屋や厩をつけることが許されていたそうです。
敷地には大野庄用水の水を取り入れた池泉回遊式庭園が広がっており、立派なアカマツや池を鑑賞できます。
以前は今の敷地の倍近い広さがあったそうです。
武家屋敷野村家
前田利家に仕えた、加賀藩士・野村伝兵衛信貞の屋敷跡です。
一部、北前船の豪商、久保彦兵衛の邸宅を移築してあるそうです。
ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で二つ星を獲得しています。
仏間。
和のお部屋のなか、鮮やかな金色の仏壇がひときわ目立っていました。
謁見の間の襖にはきれいな白い牡丹の絵が描かれています。
総檜づくりの格天井など、贅の限りを尽くした上段の間。
襖に描かれているのは狩野派の佐々木泉景による山水画。
奥の間。
控えの間。襖絵が見事。
茶室。
わびさびを感じさせる質素な雰囲気の造り。
茶室の控えの間。
階段が石造りになっている茶室へのアプローチも風情があります。
数寄屋建築の茶室・不莫庵ではお抹茶とお干菓子をいただくこともできます。
大野庄用水から水を引き入れて曲水を作り出している庭には、樹齢400年の山桃、椎の古木に灯篭や石などが美しく配置されています。
この庭園は、米国の庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」の日本庭園ランキングで3位に選ばれるほど評価を得ているとのことです。
金沢聖霊修道院聖堂
長町武家屋敷跡の近くにある金沢聖霊病院の隣に建っています。
1931年に建てられた木造ロマネスク様式のこの教会は、スイス人建築家マックス・ヒンデルによる設計だそうです。
美しいアーチとステンドグラスなどに青を多用した内観、白い壁と焦げ茶色の窓枠の外観と、かわいらしい教会でした。
円柱には金箔や黒漆塗が使われているあたりは金沢らしいですし、畳が敷いてあるあたりは日本ならでは、という感じがします。
見学は自由にすることができました。有名な観光スポットではないためか、訪れたときは誰もおらず、静寂の中、椅子に腰を下ろしてお祈りをしていると、ちょっとだけ心が洗われたような気分になれました。
※この投稿は以前、別のサイトでアップしたものを再投稿したものになります。
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