2018年9月
スローライフな休日が過ごせる、小さな温泉宿
由布院駅の一つ隣にある南由布駅から2~3分の場所にある、全3室の小さなお宿です。
外観
由布院駅周辺は観光客であふれていますが、このお宿のあるあたりはまだまだのどかな田園風景が広がり、昔ながらの由布院らしさが残る場所でした。
緑の芝生に特徴的な三角形の屋根はヨーロッパの田舎にでもありそうな建物でした。
フロント、ロビー
こちらの宿は人当たりの良いご夫婦2人が営んでおり、お宿の玄関を入るとお二人が温かく出迎えてくれました。
フロントのあるロビーには薪ストーブがありました。
冬になるとその前でじっと火を見ながらリラックスしているお客さんもいるそうです。
BGMとして心地よい音色のバロック音楽が流れていました。
施設
ロビーの一角には小さなギャラリースペースもあり、アート作品が展示されていたほか、廊下やレストラン、室内にも絵画が飾ってありました。
お部屋に通じる廊下の天井も三角でした。
客室
今回宿泊したお部屋は、約55平米のスーペリアツインで天然温泉の内湯がついていました。
ロフトもあったのですが、階段にチェーンがかけられ、登れないようになっていました。
お部屋は白い壁にこげ茶色の木目を活かした、ロッジを思わせる造りで、梁のある天井は高く、開放感がありました。
窓の外にはウッドデッキがあり、すぐ目の前はソーヴィニヨンのブドウ畑になっていました。
ここで取れたブドウを使って毎年お宿オリジナルのワインを作っているそうで、希望すればそのワインをレストランで頂くことができます。
ブドウ畑の奥には線路があり、田園の中を1~2両編成の電車がのんびりと走っていく様が見え、何ともいえず心休まる風景でした。
虫の声もよく聞こえ、自然を身近に感じることが出来ました。
浴室の扉を開けると、檜で出来た浴槽の淵と簀子から、さわやかな香りが漂ってきました。
お部屋にあるお風呂としては浴槽は大きく、窓の外には小さな石庭と、塀の向こうに由布岳が見え、景色を楽しみながら入浴することができました。
お湯はお宿の敷地内からくみ上げた温泉で、自家源泉かけ流しとなんとも贅沢なお湯でした。
泉質はアルカリ性単純温泉で、ph9.1と酸性度の強く、トロみがあり、湯布院では珍しいお湯だそうです。
お宿の方からも言われたのですが、トロみが強い分、浴室がツルツルと滑りやすいので注意が必要です。
備品
室内には部屋着として浴衣と羽織が1枚づつ置かれていました。
箪笥の中には薬箱も用意されていました。
飲み物は、ドリップコーヒー、緑茶とほうじ茶のティーバッグ、冷蔵庫の中に有料ですが、ビール、緑茶、ミネラルウォーターが用意してありました。
蛇口をひねると、地下80メートルからくみ上げる、雑味のないやわらかい口当たりの地下水が出てくるので、飲料水としてはそれを利用できます。
アメニティ
アメニティは歯ブラシ、ブラシ、剃刀など基本的なものは揃っていました。
バスアメニティはメナードの「アロマローズ」のシリーズが置かれていました
夕食
お食事は夕食、朝食ともにロビー横のレストランでいただきました。
個室ではありせんが、隣の席との間に仕切りがあり、他の方から見えないよう配慮されていました。
夕食は18時か18時半スタートから選べ、お品書きはありませんでしたが、スタッフがお料理の説明をしてくれました。
お料理は前菜のカルパッチョからデザートまで、コース仕立てで提供されました。
ココット鍋を使った鶏の煮物は、鶏肉からいいお出汁がでていてスープまでおいしくいただくことができましたし、豊後牛のステーキは「頂(いただき)」という最高品質のものを使用しており、口に入れると旨みが肉汁とともにジュワーッと口の中に広がりました。
こちらの夕食はアフィージョやステーキなどフライパンや鉄板に乗せられたまま出され、熱いものは熱いままでいただけるよう配慮されていました。
朝食
朝食は8時か8時半から選べます。
内容は焼き魚、納豆、お豆腐、おばんざいなど定番の和の料理のほかに、ココット鍋にポトフも用意され、ボリューム満点でした。
柚子胡椒と合わせる焼き魚のサバは脂がのっていておいしかったですし、具材が柔らかくなるまで煮込まれた野菜たっぷりのポトフはお腹に優しく朝食にピッタリでした。
最初はこれだけの量食べきれるのかなと思ったのですが、全部おいしく頂くことが出来ました。
食事で出された梅干し、柚子胡椒はすべて自家製で、白米も自家栽培とのことです。
その他の食材も地元のものを多用し、素材の味を活かした優しい味わいの品々がこちらのお宿の料理の特徴のようです。
総論
今回の滞在で一番心に残ったのは、この宿を営んでいるご夫婦の心のこもったおもてなしでした。
ご夫婦は2人ともよく笑う笑顔が素敵な方で、人柄の良さがにじみ出ているように感じました。
おかげでとても話しやすく、いろいろとお話をさせていただきました。
また、近所のおすすめスポットを紹介してくれたり、チェックアウト後の荷物の世話をしてくれたりといろいろサポートしていただけました。
夕食や朝食には、ご夫婦が手掛ける自家栽培の食材や手作りの調味料などを多用した滋味豊かな料理が提供されました。
豊かな自然の中スローライフ的な休日を過ごすことが出来るお宿です。
※この投稿は以前、別のサイトでアップしたものを再投稿したものになります。
コメントを残す